太陽の畝

日々亦瀟瀟。

I

本日猫のIが亡くなりました。

ひどくやせ細りながらも最後まで自力で、大きな声を出して。

思えば認知症が随分速く進んでいたのだと思います。とても大きな声で、とてもとても速く、そしてとても小さな身体で。

私は大人になったIとしか生活することはなかったけれど。

 

 

奇しくも昨夜私は埴谷雄高の『不合理ゆえに吾信ず』を数年ぶりに通読し、或る一箇所に引っかかっていました。

ここに顔を顰めむずがつている赤ん坊がいるとして、さてその理由を云いきり得たとしたら、それは世界で最初の言葉だと。はっは。(後略)

「赤ん坊」や「世界」という「言葉」こそIにとっては虚空(それこそ!)なものかもしれませんが・・・・・・。

昨夜もIは読書する横で彷徨と咆哮を繰り返し、ジタバタしていました。 

俺といえば?

まだまだIのようにはなれずに、ボソボソとつぶやいていることだけははっきりしています。

 

 

またね!